毎年発表される「今年の漢字」。大きな紙に大きな筆で一文字書く、という発表形式をとっているので見ていて爽快だし、ついつい見ちゃう魅力もありますよね。
そんな「今年の漢字」ですが、2022年は果たしてどんな一文字になるでしょうか?
予想してみたので、自分の中の“書道っぽさ”を総動員し、発表していきたいと思います。
もっと“書道っぽく”今年の漢字発表がしたい
書道————————
書道(しょどう)または書(しょ)とは、書くことで文字の美しさを表そうとする東洋の造形芸術である。
(Wikipediaより抜粋)
みんなが習ったことのある「習字」と、一般的に言われる「書道」には明確な違いがあります。それは、「習字」が普遍的な美しさを求めるのに対し、「書道」は芸術的な美しさを求めるという点。
つまり、書道はその表現に自由があるということです。故にパフォーマンス的な要素も多分に含んでいるというわけですね。
大人になってから見る書道と言えば、おそらくもっぱら「今年の漢字」の発表の時ではないでしょうか。あれも、「清水寺」という舞台(環境)で大きな半紙に大きな筆で一文字を書く、というパフォーマンスの要素が大きいものだと思います。
書道家やお坊さんでもない限り、あんなおっきい紙におっきい筆で一文字書くなんていう体験はまずないはず。だけど僕としては、整った環境下でおっきい紙に思いっきり一文字を書いてみたいという欲があるのです。むしろ環境や雰囲気、動作も含めればもっと書道っぽく「今年の漢字」発表が出来るのではないかとすら考えている次第です。
と言うことでまだ2022年も残っていますが、振り返り等も踏まえ推察した上で2022年の今年の漢字を予想し、自分なりの表現で発表をしていきたいと思います。
「今年の漢字」振り返りと推察
まずは今年の漢字のいままでの発表を振り返り、ざっくりと傾向を掴んでいく。2021年から2016年まで遡ってみると以下の通りでした。
2021年:金
2020年:密
2019年:令
2018年:災
2017年:北
2016年:金
以上の振り返りからは、①ポジティブ/ネガティブ関係なく選ばれる、②年によっては同じ漢字も選ばれる、③代表的な事柄かつ意味が重複するような漢字が選ばれやすい、ということが分かってきました。ふむふむ。
次に2022年上期に起きたことなどを振り返りつつ、聞き込みによって大衆の2022年のざっくりとした印象を聞き取っていきます。(「今年の漢字」は日本漢字能力検定協会という団体が全国公募により決定するそう(2021年は約22万票の応募!)なので、いろんな人への聞き取りで大まかな方向性は掴めるはず。)
上期に起きた主な出来事としては、まずは引き続きのコロナ禍から始まり、2月の北京五輪、そしてなんといってもロシアによるウクライナ侵攻。そして国内だと知床半島沖での観光船沈没や歴史的な円安といったことがありました。また、各著名人(石原慎太郎氏、上島竜兵氏などなど)の逝去も相次いでいます。
ざっと見てみるとあまり良い印象のニュースはない感じです…。実際、立ち飲み屋での聞き込みでもその印象は強く、挙げてもらった一文字もネガティブな印象が多めでした。もしくは「逆に良い方向に行ってほしいのでこの一文字を選ぶ」といった声も見られました。挙げてもらった漢字は例えばこんなものたちでした。
革、恐、暴、戦、昇、命、尊、病、変(他多数)
やはり一番はウクライナ侵攻のイメージ。世界的な出来事で、確実に歴史の教科書に載るような出来事なので多くの人の印象に残っていました。ちなみに一人だけでしたが、「勝」という字を挙げている超ポジティブな人もいました。「なにに勝つんですか?」と聞いてみると、「私が勝つ」という回答で、微妙に回答にもなっていない超ポジティブな返しをされました。
とは言え、聞き取りした中でも複数の人が同じように挙げ、かつ賛同する声も圧倒的に多かった漢字がひとつだけありました。(上に挙げた以外の一文字です。)またその漢字は、いままでの発表の振り返りによって分かった3点の傾向ともある程度条件が合致しています。なので今回はその一文字を自分なりの表現で発表していきたいと思います。
書道っぽさを総動員して予想発表!
竹————————
竹から感じる和のイメージと、もともと書道が持っているイメージはかなり近いものがあると思っています。そう、まず発表に際して整えるべきは“環境”。本物の「今年の漢字発表」が清水寺なのに対し、筆者は竹藪の中という環境を選択しました。寺ももちろん環境としては申し分ないですが、清水寺は観光色が強く雑念が多い気がします。書道はもっと静けさと向かい合うものだと思う————————知らんけど
と言うことで、普通の半紙を3×3貼り合わせた特製半紙を、段ボールの板に固定し、その段ボールを養生テープで竹に固定しました。
これで本物とほぼ同じような状況に持っていくことが出来ました。
さて、次に着目するのは雰囲気。これだけ舞台が整っていても自らの雰囲気が伴っていなければ台無しというもの。なので自分の手持ちで精いっぱいの“っぽさ”を表現してみました。
どうでしょうか?
書道するときは作務衣みたいな恰好でとりあえず腕組みするのが“っぽさ”だと思っています(偏見)。また、髭も少し生やし眉間にしわを寄せるのも雰囲気に貢献してると思います。
さらに、道具も重要な要素です。大きな半紙には大きな筆も必要でしょう。これに関しては以前作ったものを持ってきました。
さて、準備は万事整いました。あとは今年の漢字の予想を一文字でぶつけるのみ——————
それでは…
参る!!!
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完成しました。
今年の漢字、筆者の予想は「安」でございます。
歴史的な円安、戦争から来る安心安全への願い、そして安倍元首相の逝去…
2022年上期だけでもかなり重複が多い、かつ重大な要素の漢字だと思われます。また、実は「安」という漢字は2015年にも選ばれているので大衆が思い浮かべやすい漢字なのかもしれません。実際に飲み屋での聞き取りで一番多かった回答が安でした。
当たったらいいなとは思うものの、まだ今後何が起こるか分かりません。しかしながらもし予想が当たってたら、なかなか鋭い予想ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
個人で調査して推察した今年の漢字の予想ですが、ある程度納得感はあるのではないかと思います。みなさんの予想はどんな漢字でしょうか。周りの人に聞きながらあれこれ考えたり喋ったりするのは、結構会話のネタになってオススメです。
また今回、大きな半紙に大きな筆で漢字を書く、という体験を初めてしましたが、これも案外気持ちがスッとするものでした。邪気が払われているような感覚です。気持ちよさとしては障子破りに近いものがあった気もします(質感が似てるので)。毎年やってるお坊さんはそれはもう煩悩が取り払われているに違いない。
ただ、竹藪の中でやるのはおすすめ出来ません。虫が多いし、通りすがりの人がいたら変な目で見られるためです。なので自然と行動に焦りが出て、バッグとかに墨をこぼしたりします。
庭先など、人目が気にならない場所なら大きい紙に大きな筆で書道するのはおすすめ。書道家やお坊さんでない人は是非一度やってみてほしい体験でした。
暇つぶし評価
【最大評価★5つ】
時間つぶせる度:★★★⋆
楽しさ:★★★★⋆
実用性:★★
費用の掛からなさ:★★★
おすすめ度:★★★⋆
おわり