2023年は人生初の株主優待をもらった年だった
昨今、資産形成をしろしろと世間がうるさくなってきている。
やれNISAだiDeCoだインデックスだと、とにかく老後のために備えろと言っている。今までの貯金や年金だけでは生活がまかなえなくなるかもよ?とさながら脅迫のように感じる。
まぁ確かに自己防衛は重要だ。
しかしあえて言わせてもらおう、「うるせー」と。
若い時のお金(=楽しさ)を犠牲にしてまで備える老後は楽しいか?と。
絶対に老後に「もっと若い時に遊んでおけばよかった……」ってなるに決まっている。
……と、そう思っていた時期もあったんですが、まぁ、やはりアラサーになると不安も大きくなってくるわけで。例にもれず自分も貯金に加えて株を持ってみようと考えたのが2022年ごろ。
NISAとかを先にやるべきとは分かっていたんだが、なんとなく「毎月お金引かれるのやだなー」という思いと「株を持っている」という状態になりたい欲が常々あったため、まずは貯金を株に変えようと思い立った。
そこからは早く、証券口座を作ってとりあえず安定のゼンショーHD(すき家やはま寿司などの運営企業)を買うことにした。株のことはよくわからんがとりあえず外食産業は安定してるし優待も付いてくるとのことで一石二鳥。
ドキドキしながら株を取得した2022年だった。
それからしばらくして、念願の優待券を手に入れたのが2023年だった。
ついに使う時が来た
手に入れた優待券はそれはそれは大事に財布にしまっておいた。いつか来たるプレミアムな1日にこれを使ってすき家で豪遊しようと思っていたのだ。
しかしどうだろうか。気付いたら年末になっていたし有効期限が目の前に迫っていた。
30日以降は予定があるため29日に使い切るしかない。そう気付いたのが19時ごろ。
「まぁ夜飯にすき家で豪遊してやるか」と思いついた。
ところで、すき家での豪遊と言われたらどのような注文をすべきだろうか。
でっかい牛丼なんかを買ってみて思う存分に牛丼を食べるというのもいいかもしれないが、僕はもっと好奇心を満たす注文をしたい。
せっかくタダ(?)で買えるから、その気兼ねなさを味方にして普段なら絶対に頼まない料理を注文して、それをもって豪遊ということにしようと思う。
牛丼屋で絶対に頼まない料理ってなんでしょうか。メニューを見ずに考えると、例えばとりそぼろ丼とかだろうか。まぁ人によっては頼む人もいるかもしれない。
しかしメニューをじっくり見てみると、「これ誰がどのタイミングで頼むの」という料理が存在した。今まで視界にすら写っていなかったようだ。
それがこれ。
牛丼屋に来て、季節を感じようとする人がいるのだろうか。
恥ずかしながら僕はいまだその境地に至れてはいない。むしろ年中無休24時間稼働の牛丼屋に対してはその逆の不変さ、年を通した一定感を感じていたくらいである。
そしてもう一品。
これも牛丼屋に来るときのモチベーションでは絶対に頼まない自信がある。
譲ったとしてまぐろたたき丼はまだわかる。けど、焼き魚はもうなんか違うよな。違うジャンルになっちゃってる気がする。
そんな違和感を覚える2品だが、株主優待であれば注文することができる。後ろ盾としてこんなに心強いことはない。
夜飯として普通の牛丼も合わせて買って優待券1000円分を一気に使い切った年末だった。
これが株主優待パワー…!
実際にその2品を株主優待パワーで購入することができた。株式を持っていなければ一生この料理を食べることがなかったかと思うと、株主優待という仕組みに感謝しかない。
さて……
まずは季節の小鉢。
食べてみたが、何とも言えない……本当になんとも言えない。逆にこの小鉢が作られた経緯とかに想いを馳せてしまうような、そんな食後感だった。
もう一度言うがやはり株主優待パワーはすごい。なければこんな出会いは一生なかった。年末にひとり感銘を受けていた。
そしてこちら。炙り塩さば。
こちらは見た目からも分かる通り結構レベルが高そう。箸で持った感じも肉厚で食べ応えがありそうな感じ。
食べてみるとその感覚の通りで、牛丼屋とは思えないようなクオリティの高さだった。最近はコンビニもこういう焼き魚のレベルが高いと聞きますからね。それに沿った流れかもしれないけど、良い時代になったもんだ。牛丼屋行って魚食べてそれが美味いってなもんですからね。
牛丼も挟みつつ酒も飲んだりしていたらあっという間に1000円分を食べきってしまった。ゆめうつつの如くなりだった。満足感はあったが最終的になにを食べたかの印象が薄かった。本当に牛丼屋での買い物だったのか?
……いや、これが株主優待券の正しい使い方なのかもしれない。
また一歩人生が豊かになったような気がする。直近でまた1000円分の優待券をもらったので今度ははま寿司で挑戦的な注文をしてみよう。
新たな発見があるかもしれない。
おわり