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【品田遊】『ただしい人類滅亡計画』レビューと彼の魅力【ダ・ヴィンチ・恐山】

品田遊?ダ・ヴィンチ・恐山?多面的な男

ダ・ヴィンチ・恐山とは…

現在、ネットコンテンツを制作・運営する

バーグハンバーグバーグの社員。

同社の運営するウェブサイト「オモコロ」で

編集・記事執筆を行っている。

もとはTwitterのおもしろツイートで人気を集め、

そのツイートが4コマ漫画化されたり、

3Dソフトを使ったギャグ漫画を制作するなど幅広く活動。

2015年には「品田遊」名義で小説も執筆。

2016年よりバーグハンバーグバーグの

同僚であるARuFaとともに

ネットラジオ『匿名ラジオ』を配信している。

 

上記経歴を見ていただければ分かる通り、

かなり多面的な活動をしている男、

それがダ・ヴィンチ・恐山氏です。

(オモコロチャンネルでの紹介動画⇓)


www.youtube.com

 

僕が彼を知ったのはバーグハンバーグバーグが

運営するYouTubeチャンネルの

オモコロチャンネルからなので、まだそこまで

彼を知っているわけではないんですが、先日読んだ

彼の著書『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』

非常に面白かったのでそのレビューと

彼の魅力について書いていきたいと思います。

 

 

 

推しポイント①<小説『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』>

上に貼った動画から分かるように、

彼はメディアでの露出がある際は常に

仮面をかぶった状態で出てきます。

そんな見た目がヤバいやつが書いた

ヤバそうなタイトルの小説。

しかしタイトルに反して、

内容は簡単な物語風の対話形式な小説となっています。

 

内容を簡単に説明するとこんな感じ。

突如この世に全能の魔王が現れた。

魔王はどうやら人間を滅ぼすという使命があって

生まれたようだったが、魔王自身「なぜ人間を滅ぼすのか?」

という問いに理論的な理由が見出せないし、

理由なく人類滅亡を実行する意味がわからないようでした。

そのため召使いに命じ、主義の違う10人の人間を集め、

「人類は滅ぶべきか?そうでないか?またその理由は?」

という議論をさせ、その結論がどちらだとしても

その理論に納得できれば、その結論を実行に移そう、

と考えました。果たして10人の会話から導き出される結論は…?

哲学的な問いを、物語風にすることで冒頭から

かなり引き込まれる内容となっています。

 

登場人物には悲観主義者や楽観主義者などそれぞれ

別の主義の人物が会話を繰り広げますが、

主軸となるのはタイトルにもある反出生主義者。

これは2006年にデイヴィッド・ベネターと言う人が

出版した本の中で述べられていた主義とのこと。

要は「命あるものは生まれない(存在しない)方が良い」という考え。

 

これだけ聞くと「なんてこと言うんだ」と

思うかもしれないけど、その内容を理解すると

かなり筋の通った理論なんですね。

(ただし反出生主義も一枚岩じゃないようです。

この小説の中では穏健派(=段階的な絶滅)的な主張だったので

それ前提でレビューします。)

 

主張を要約するとおそらくこんな感じ。

現代の価値観で言うと、人は「幸せになること」と

「不幸せを回避すること」のために生きている。

ただし「不幸せを回避」すれば「幸せになる」とは

必ずしも言えないし逆もまた然り。その上で優先順位を付けると

「不幸せを回避」する方が優先順位が高い。

また他人に対しても「幸せを与える」より

「不幸せを与えない」方が優先順位が高い。

そういった前提のもとで考えると、

この世に生を受けた時点で少なからず

多かれ少なかれ不幸せを負うことは確定なので、

親は子に対して「不幸せを与える」ことになる。

そのため、新たに出生させることに反対、という主張です。

(「不幸せを負うことが確定」に対して僕は

「じゃあ不幸せなことがなくなれば生まれてもいいじゃん」と

思いましたが、生物である以上「死」はある意味絶対的な不幸せだし、

もし死を克服したとしても、本当に不幸せじゃないとも言えないですからね…。)

理論としては筋が通っていますよね。

 

まぁただこんな主張をしたところで

陽の者が聞いたら

「ふーん、じゃあ君は子ども

作らなければいいじゃんw」

と一蹴されること必至です。(偏見です)

 

また、小説内でもありましたが

上記の下線部のような前提がないと

この理論は成り立ちません。

そのために陽の者には一蹴されるだろうし、

経典原理主義者(≒熱心な宗教信者)にも

この理論は通用しないのでしょう。

 

この小説が上手いなぁと感じたのは、

「筋の通った理論を出さなければならない」

という物語にすることで、そういった

反出生主義の弱点を突く隙を与えていない点です。

いくら宗教家が「経典に書いてあるから

子供を作るべきだし人類は滅亡すべきじゃない」と

主張したとしても理論的には弱そうですもんね。

(逆にそういう意味では「経典」と上記の「前提」は似たものなのかも。)

 

こういった哲学的な問いや

それぞれの主義主張を上手くまとめ、

誰でも簡単に分かりやすく一冊の小説に仕上げてる点で

品田遊氏が非常に思慮深い人だなぁ

と分かると思います。

そこが推しポイント①です。

 

 

 

推しポイント②<動画 『Understandっていう性格の悪すぎるパズルゲーム』>

ダ・ヴィンチ・恐山氏は

「恐山」というチャンネル名で

YouTubeもたまに更新しています。

僕はこちらのチャンネルの動画を

あまり見たことがないんですが、

偶然見たこの動画がすごく面白かったです。


www.youtube.com

タイトルの通りですが、とにかく意地悪な

パズルゲームをひたすらダ・ヴィンチ・恐山氏が

やっていくだけの動画です。

ゲームとしては「ある法則(=正解)で

並べられたマスと模様を正しくなぞるだけ」

というシンプルなシステム。

 

何が良いかと言うと、

ゲームの意地悪にしっかりと

嵌まってくれる愛らしさです。

そこが推しポイント②でもあります。

また、よく言われていますが

彼は自分の体の操作が苦手です。

この動画内では姿は映していませんが

そのゲーム操作の動きから体の操作に

手こずっているのが分かります。

そこも愛らしさの一部とも言えます。

 

また途中、とてつもない意地悪な仕掛けの面で

思わずお嬢様言葉になってしまう場面もあり、

シンプルなオモシロを提供する姿勢もあります。

これらの点は推しポイント①で見たような

思慮深さとは、かなりのギャップを感じさせます。

そこがまた良い、とも言えるわけです。

 

 

 

ダ・ヴィンチ・恐山(品田遊)の魅力まとめ

まとめると、

思慮深い一面もあれば、

お茶目で愛らしい一面もある。

そんなところが彼の魅力だと思います。

またそれらのギャップも魅力を引き立たせます。

 

さらに言えば、そういった多面的なところが魅力

とも言えると思いますし、まだまだ知らない

ダ・ヴィンチ・恐山があるのかもしれません。

 

どこかのインタビューでも、

「いろんな方面で活動するために名前を

複数持っている」というようなことを

言っていたと思います。

名前も顔も、その時々に合わせ変化させ、

多面的に活動し、活躍している、

というのが一番の魅力かもしれませんね。

 

気になった方は

ぜひ動画や小説を見てみてください。

ハマること間違いなしです。

 

おわり