特別お題「わたしがブログを書く理由」
ブログを本格的にやろうと思ったのは28歳くらいのとき。
当時からよく行っていた立ち飲み屋でたまに喋る人がこう言っていたのが印象に残っている。「“今日”が人生で一番若いんだよ」
なんとなく過ごしてきた20何年間。日本人としてはかなり平均に近い歳の取り方をしてきたと思う。
そこそこの高校に行き、大学の受験勉強を頑張って、それなりに大学生活を楽しみ、就活で苦労して、就職して大変な思いをして、転職して、今の仕事に不満はありつつもまぁまぁな給料はもらえてるので週末になったら飲みに出掛ける、みたいな。
そんな人生を送ってきたもんだから、20後半になってなんとなく言葉に出来ない不安感があった。
「俺ってこのままでいいのかな…」
なにかを成したい気持ちになる。たぶん20後半って誰もがそんな年頃なんだと思う。
でも今まで積み上げてきたものが何もないことにも絶望する。
ふわっと生きてきたので積み上げが何もなく、何も成すことができないことに気付く。
このままじゃいけない、とは思ったけどどうしよう。そんなことを考えて結局動かないでいたときに聞いたのが「今日が人生で一番若い」というフレーズ。
「なにをやるにも遅すぎることはない」っていうフレーズはよく聞くけど、なんかそのフレーズだと動き出すまでには至らなかった。バイタリティある年上の人が言ってるだけのように聞こえたし「やれる人はどっちみちやれるんだよな」と思って自分の中に落とし込めなかった。
これに対して「今日が人生で一番若い」の説得力はえげつない。「何かをやるなら今日やった方がいいよ」と鼓舞されているようであり、「今日なにもやらないんですか?ふ~ん、まぁいいけど…。何もやらないんですね、へぇ~…」と脅迫されているようでもあった。
そんなわけで何かを積み上げようと思ってブログを始めた。
そのころちょうど初めて知った有名ブロガーやおもしろ記事の存在。文章と画像だけで人を笑わせるってすごくない?
自己分析の結果、自分は文章を書くこともどちらかと言うと得意な方だったし憧れもあって書き始めた。もちろん「広告収入も付けれるのええやん」とか「書いてるうちに文章力も上がって一石二鳥やん」という思いもあった。
そんなこんなで始めて2年半くらいになる。
最近は当初ほどの勢いはなくなったけど、明確に文章力が上がった。周りの友人にも見てもらって面白がってもらえてるようだし検索もそこそこ入るようになった。
でも別に広告収入がすごい入ってるわけでもないし、このブログの閲覧数がめちゃくちゃ多いわけでもない。
たまに「お金そんなに入るわけじゃないのになんで続けれるの?」と聞かれる。正直自分もそう思うんだけど、最近はもう「お金が入るから」とか「文章力を鍛えるため」とかの理由はかなり薄くなった。
自分のブログはどこかに出掛けたり食べたりとかの暇つぶしをテーマにしている。ブログを書こうと思ったらなにかしら行動しなきゃいけない。これはけっこう大変だ。けど、近頃はもはや「ブログを書くために行動する」というより「ブログを口実にして行動している」という表現の方がしっくりくる。主従がごちゃまぜになってきている。
これがまた面白いところだ。文章力を鍛えようと思ってたら行動力も上がったということだ。なにか口実がないとギリギリやらないようなことでも「ブログを書くため」という理由があるだけで行動に移すことができる。このおかげで確実に、休日や仕事終わりの後の時間の過ごし方が多様になったと思う。
ここまで続けられたのは、ブログという媒体が自分に合っていたというのもあるけど、当初の「何かを成したい」という思いもまだあるからだ。
2年半やっても何も成せてないし、成せるビジョンも今のところ全然顔を見せてくれないんだがブログを辞めるということももうないだろう、もはや生活習慣のようになっているから。
今後もブログを口実にしていろいろなことをやっていきたい。そしてもっと文章力に磨きをかけて、いつか何かを成せたらいいな。これからもそんなモチベーションで書いていきたい。
おわり